栃木県の住宅が完成しましたので取材に行きました。その際、泊まったホテルのサービスで福島県白河市『南湖公園(なんここうえん)』の桜見学に連れて行ってくれました。
『南湖公園』は、福島県白河市にある日本最古の公園である。1924年(大正13年)12月9日、国の史跡および名勝に指定されている。白河藩主『松平定信』が造成したこの湖の地を身分の差を越え庶民が憩える「士民共楽」という思想を掲げ、レクリエーション地として開放した場所とし、それが今日まで現存しているためである。
南湖神社の一角にある茶室は、松風亭蘿月庵は寛政年間(1789~1801)松平定信の家臣、三輪権右衛門(待月)が茶人であった父 、長尾仙鼠(せんそ)のために建立したものである。もとは城下南西の九番町にあったのを、松平家が桑名移封の際に、中町常盤家が譲り受け、邸内に移した後、一時は西白河郡役所の所有に帰したが、大正12年郡制廃止により南湖神社に寄贈され、大正13年(1924)5月現在地に移築された。
現況は、東向きの妻入りで桁行(けたゆき)3間余(5.64m)梁間(はりま)1間半余(2.92m)の入母屋造り、茅葺きとなっている。二畳台目の使用などいわゆる道安好みを基調としている。
定信はこの茶室を好んでたびたび使ったらしく、享和2年(1802)8月のある日「水盥」(みずたらい)に「蘿月(蔦の葉の間に見える月)」の二字を書き、その裏面には「壬戌(じんじゅつ)秋八月 ここに来りてこれを書すことに蚯蚓(みみず)の如し 人の笑はんことを そこの月 たが笑ふともおけやおけ 定信」と書いたので、この茶室を「蘿月」庵と名付けられた。
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